設計士の自宅マンションリノベ日記設計士
2022.03.12
設計士の自宅マンションリノベ日記vol.7~設計編④~
「設計士の自宅マンションリノベ日記vol.7 ~設計編④~」
弊社若手設計士の自宅マンションリノベ日記を連載ブログです。
筆者がその設計士です。
このブログでは、マンションリノベを実際に進めながら設計者目線での注意点や失敗談など、赤裸々に、堅苦しくない形でつづっていこうと思います。
マンションリノベを考えておられる方、興味がある方に少しでも参考になればと思います。
7回目の今回は、「設計編④」として、間取りが決まった後について書こうと思います。
以前のブログでスケジュールについて書いたときにも触れましたが、間取りが決まった後も設計は続きます。
僕の場合は、間取りが決まるまで1か月、そこから1か月くらいでその他をまとめていった感じです。
具体的に何をしていたかというと、
・展開図やスケッチを書いて平面では見えないことを考える
・ショールームを廻って衛生器具(キッチンなど)を考える
・照明やコンセントの計画を考える
・内装仕上げを考える
といった感じです。
厳密には間取りを考えながら、上記のようなことを同時に考えていますが、本格的に図面にしていくのは間取りが完成してからです。
この辺りは、いざ考え出すと悩んでしまうポイントだらけで、考えるのに結構時間が掛かります。
日々のフルリノベ業務の中では、この段階で展開図やスケッチを書いてお客さんと打合せをします。ですが今回は、自分の家なのでラフな絵で確認しながら検討を進めていきました。
この時の打合せ(家族会議)は次のような会話をしています。間取り決めた後にこんなこと決めるんだという参考になればと思います。
「ここの収納棚に扉ないの?欲しいなー。あと棚の枚数も増やした方がいいんじゃない?」
「この壁にはブラケット照明つけたい。」
「えっ、こんなところに棚あるの?ホコリたまるからやめとこう。」
「やっぱりここにコンセントあった方が便利だよね。」
というような内容です。
これはごく一部ですが、スケッチを書いたり、電気(コンセントや照明)計画を書いたりすると、「あれ?ここ、こうなってるんや。」と新しい発見があります。
なので、そこから間取りの修正に戻ったりと、決めるまではとても時間が掛かります。
他社さんの設計の進め方は僕は分からないですが、戎工務店ではそういったところまで打合せをして決めてから、次の見積りの作業に入ります。
余談ですが、コンセントや扉(収納を隠すとか)は一つ一つ考え始めると、「ここも、あそこも」と不安になってどんどん増えていきます。
当たり前ですが増やすと増えた分だけ工事費は上がります。
なので、本当に必要なところを見極めて決めていくのがベストです。
と偉そうに言っていますが、僕は不安からコンセントを増やしすぎてしまい、妻に適切な数に減らしてもらいましたが、、、
とにかく身をもって体感したのが、間取りが決まってから結構悩むぞ、ということです。僕が考えすぎただけかもしれませんが。
という訳で、このブログの「設計編」は今回で終了です。
<<設計編のまとめ>>
設計期間にお客さんとつくる設計図は、どんな家になるかを確認する図であるのはもちろんですが、「工事がいくらかかるのか」を見積もるための図でもあります。
なので、間取りだけでなく、仕上げや仕様などいろいろなことを決めて図面に書き込んでいきます。
決めていくためには、実現したい住まいに対して、技術的なことや費用面などの要素を総合的に判断していく必要があります。
僕自身が自分の家を設計して思うのが、とにかく迷いの連続だったということです。
「ほんまにこれでいいのか?」と自問自答する日々でした。
そんな中で助かったのは、要望の優先順位を妻がつけてくれたことです。
妻から、「朝起きたときに気持ちよく朝日を浴びる」と最初に決めてもらったのは非常に設計が進みました。それ以外にも、「収納は隠す!これは優先順位高い!」と決めてもらったのも助かりました。
リフォーム、リノベをお考えの方も是非、設計が始まった時は「一番の要望はこれ!」と設計者にお伝えください。設計がぐんと前に進むと思います。
さて、次回は「見積・契約編」を書こうと思います。
よろしくお願いします。