設計士の自宅マンションリノベ日記設計士
2022.03.18
設計士の自宅マンションリノベ日記vol.8~見積編~
「設計士の自宅マンションリノベ日記vol.8 ~見積編~」
弊社若手設計士の自宅マンションリノベ日記を連載しているブログです。
筆者がその設計士です。
このブログでは、マンションリノベを実際に進めながら設計者目線での注意点や失敗談など、赤裸々に、堅苦しくない形でつづっていこうと思います。
マンションリノベを考えておられる方、興味がある方に少しでも参考になればと思います。
8回目の今回は、「見積編」として、僕が書いた図面を基に見積をつくってもらい、そこから減額調整をしていった流れを書こうと思います。
前回のブログまでで、僕の設計は一旦終了しました。
図面数枚をもって、戎工務店工事部へと相談に行きます。
「こんな計画を考えています」と計画内容を説明し、見積をお願いしました。
そこから数週間、各業者さんとの調整や、必要部材の洗い出しを行って、工事見積をつくってもらいます。
「見積ってどうやって作るの?」と思われる方が多いと思いますが、結構アナログです。
設計者が書いた図面を基に、部材を一個一個数えたり、クロスなどの面積を測ったり、必要な材料数量をあたっていきます。
そこに、かかってくる人件費や運搬費、駐車場代なども計算していきます。
例えば、「今回は2階だから、資材搬入はこのルートやな」とか、「養生はこの範囲だからこれくらい必要だな」など、様々なことをシュミレーションして工事金額を算出していきます。
電気や水道、ガスなどは専門業者に現地確認をしてもらい、図面と照らし合わせて見積を作成してもらいます。
この期間、僕は質問が来たら対応する程度で、あとはドキドキながら見積が上がってくるのを待っていました。
そして、ついに見積が上がってきて結果は、想定通り「予算オーバー」。
これは経験のある方ならお分かりだと思いますが、計画段階で要望を詰め込むとほとんど予算オーバーになります。
僕も頭では分かっていながらも、「見積が上がってから考えればいいか」と気楽に計画をしていました。(いいのかわるいのか)
そして、ここからが現実との闘い、本番です。どうやって減額して予算に近づけていくか。
まず一般的に効果のあるコストカットをご紹介します。
①工事する範囲を減らす(お風呂は今回改修やめます!など)
②工事する内容を減らす(この扉と収納棚はやめます!など)
③仕様を下げる(衛生器具の値段を下げる、床材は安いものから選ぶなど)
コストカットの効果としては上から順に大きいと思います。
僕の場合は、①は設計段階で考慮してしまっていたのでこの段階では使えず、
②はどうしても譲れないところが多く、③をバシバシやっていく方針にしました。
床材はサンプルをもう一度取り直して、安いものに変更し、キッチンもショールームに行って安くなるように相談しました。
そんなこんなで2~3週間は費やしたと思います。
ちなみに見積書には、各工事、各部材ごとに細かく明細が載っています。
なので、一つ一つ、「この項目はやめます、ここは変更します」という検討がしやすいです。
が、やはり手間代など単純に計算できないものも多く、その辺りは工事部の方と相談しながら進めていきました。
僕の場合は、最初の見積もりが出た後、「減額調整」という形で検討しましたが、一般的にこの期間は「仕様や工事内容の確認」をするタイミングでもあります。
これまでの打合せを踏まえて、「ここの仕上げはこの素材」とか「どこまでの工事が計画に含まれているか」ということを確認します。
それら全てに納得をして、ようやく”工事契約”へと進みます。
ちなみに契約後の流れとしては、近隣の方に工事のご挨拶や、工事準備などで2週間ほどかかります。
そしてついについに着工です。
という訳で、いよいよ次週から工事編に入ります。
次回から工事中の写真などを上げていく予定ですので、ぜひご覧ください。