職人
2020.12.17
木の家を支える職人 大工さん。
天然乾燥の木か、兵庫県の県産材か。
えびす工務店では兵庫県産の県産材の杉や、天然乾燥させた徳島の杉を使っています。そして木の家を建てる上で最も大事なことの一つは、まず木材の乾燥です。原木から製材したばかりの木は、水分をたくさん含んでいます。しっかりと乾燥させて建築資材に仕上げるのですが、乾燥が不十分だと変形や収縮が起こってしまいます。建築現場でも、木材の状態の確認から始めます。木は乾燥させた後でも呼吸を続けますから。
生節(いきぶし)と死節(しにぶし)、木表と木裏を、見極めて使う。
建築現場で木材を確認する際のポイントはいくつもありますが、例えば木目の中の「節」が生きている「生節(いきぶし)」は木材として使えますが、節の周りが黒くなっていて、周りと一体化していない「死節(しにぶし)」は使用できません。構造強度として採用できませんし、この部分がポロッと抜けてしまうと、木に穴が空いた抜け節になってしまいます。また「木表」「木裏」も重要です。木の外側が木表。芯に近い方が木裏です。木材の反り(ソリ)や強度に関わるので、木表を化粧(表側)=人に触れる方に使わないといけないのです。
木の膨張を計算して、0コンマ数ミリの間隔を。
キッチンの収納扉であれば、木目をきちんと揃えます。収納棚の扉くらいのサイズなら、上から下まで1枚の木で作れますが、天井は面積が広いので貼り合わせていきます。貼り合わせる時も、できる限り木目の流れを合わせて。木は季節や天気による温度や湿度で収縮したり膨張したりしますから、床には0コンマ数ミリの間隔を計算して床材を貼ります。
“釘、一本”の長さにもこだわる、安全のために。
えびす工務店の家は注文住宅なので、色々な要望があって難しい現場が多いです(笑)。地下室があったり、ロフトがあったり。リビングの壁に、手すりのない階段を作ったこともあります。どうにか完成してお客様に喜んでもらえた時は、やっぱり嬉しいですね。
えびす工務店の家の作り方だと、通常よりも完成まで時間がかかります。他のメーカーの家であれば、屋根は1〜2日で完了しますが、えびす工務店は1〜2週間かけることもあります。OMソーラーを設置することもあるし、屋根の軒先を丁寧に作ったりするので。でも、しっかりとした軒があった方が、雨が直接壁に当たるのを防ぐので、家が長持ちするのです。
45年ほど大工をやっていますが、えびす工務店の家は1つの現場で3ヶ月以上かかる。無垢材の分厚い木材を使うから、金物を使う場合も、通常より大きいものを使います。釘も、長めの釘を使いピッチを狭めて1本1本しっかり止めます。この手間はすべて安全性と強度のためです。