職人
2021.01.06
木の家を支える職人 左官さん。
自然素材で作った珪藻土だから、住む方も安心。
私は父親の代から左官職人で、これまでもえびす工務店の家の壁をずっと塗ってきました。えびすさんの家で使っている「珪藻土」は、素材からこだわっていて、自然由来の素材しか入っていないのです。他社の現場では、珪藻土と言っても粉末状の接着剤や化学物質が入っているものを使うこともありました。そうすると粘りが強すぎるんです。でも、えびす工務店の珪藻土は自然素材だけだから、住む人にも安心だし。作業をする上でも塗りやすいんです。
建設現場では、粉末状の珪藻土を水と合わせて“練る“ことから始め、塗りの作業に入ります。その直後に“刷毛引き”。細かな線を引くように “パターン”をつけて仕上げます。
珪藻土をご家族で塗る体験会も。
以前、体験会で、お客様に珪藻土の壁の塗り方をお教えしました。コテの上に珪藻土を乗せて、手首を返して壁につける作業を“コテ返し”と言うのですが、これはなかなか難しいんです。そこは技の名前だけ覚えてもらって、コテ返しは省略して(笑)。コテ板の上に珪藻土を乗せて、コテを壁に隙間なく付ける。そこからお客様が壁を塗っていく。普段は触れることのない珪藻土に、じっくりと向き合っていただくいい体験会ができました。
広い壁も、一気に仕上げる。“塗り継ぎ”はしない。
難しい現場と言えば、やはり壁の面積が広い家ですね。広い壁であっても“塗り継ぎ”にならないように計画します。途中で休憩を入れてしまうと、最初に塗った部分が乾いてしまって変色したり、仕上げにムラが出てしまいます。
だから、あらかじめ全体の面積分の材料を練っておいて、一気に塗っていきます。塗る面積が広い現場では、職人二人掛かりで作業します。一人が塗って、その直後にもう一人がパターンをつけていく。時間がたてばたつほど水分が飛んで乾いてしまうので、時間との勝負になります。
珪藻土の下に、“割れ”を防ぐ大切な“層”がある。
珪藻土を塗る前に、非常に大事な作業があります。それは石膏ボードのつなぎ目を埋める“下地処理”の作業です。石膏ボードのジョイントにメッシュを貼って、パテを入れる。これを繰り返すんです。下地処理をしっかりしてつなぎ目を埋めないと、へこんでクラック(ヒビ割れ)が入ってしまうので。
壁がコンパネ(ベニヤ板)の場合、変色しないようにアクドメの下地処理を行います。珪藻土の壁の下には、必要不可欠な“手間をかける層”があるのです。