施工事例新築
2020.12.17
妻の健康を思い、体にやさしい素材でと考えました。
Wさまの以前の住まいは、幹線道路近くの建売住宅。奥様は排気ガスによる咳に悩まされ、旦那様はリビングにさしこむ陽ざしでの暑さで、とても居心地の悪い住まいだったそうです。そんな住まいの問題を解決したいと思い、知り合いの建築士好川忠延さんにお声掛けされ、好川さんが以前所属されていた坂倉建築研究所時代からのご縁で、弊社にて工事をさせていただきました。
建築させていただいたお宅は、車通りが少なく周辺に緑があり、日当たりも良く、空気もきれいでのどかに暮らせる場所にあります。
住まいをつくる場所について、便利さを追求すると街なかの狭い場所に、身体や家族の安心安全な暮らしを考えると環境は良いが多少不便な場所になります。
この度のコロナ禍で、人らしい暮らしや働き方が見直される中ですが、『暮らしを大切に考えた住まいをつくる』という価値観をWさんは先取りしてこの場所を選ばれました。
さらに奥様の身体を考えて、高断熱高気密かつ自然素材を使って室内環境に配慮した住宅を計画されました。
実は住まいの部屋ごとの寒暖差が大きいと、暖かい空気から急に冷たい空気を吸うことになり、そのため気管支が収縮して咳が出やすくなります。
だからこそ家じゅうが一定の温度で快適に過ごすことのできる高断熱高気密の家を目指されたのです。
設計に基づき工務店として精一杯協力させていただいた点は、①壁の内外に断熱材を使うダブル断熱としたこと、②断熱性能の高い木製サッシとしたこと、③冬でも外と同じ温度となる床下空間を最小限として気密性を高めたこと、の3点です。
14年前の計画ではありますが、Wさんが家族のことを考えて家づくりを行った結果、こちらも時代を先取りした価値観での家づくりとなりました。
最後に室内環境ですが、こちらは奥様のご実家である製材所から秋田杉を壁や手すりに取り入れると共に、弊社が産地直送で仕入れている天然乾燥の杉をご提案させていただき、床に使うことで、化学物質を最小限に抑えた家づくりを行いました。
そして旦那様のお悩みだったリビングの居心地についても、①階段室を吹き抜けのように使うことで、1階にまでたっぷり光を取り込む明るいリビングに、②高断熱高気密と天然乾燥の床材で、温度湿度ともに快適なうえに、足ざわりや香りでもリラックスできる空間とすることで改善をしました。
環境が良くて空気がきれい、窓からの景色も良く、部屋が明るく・温度が一定で、自然素材で室内の空気も良く、木の香りでリラックスできる。
居心地が良くなったことで、ご夫妻いっしょにリビングで過ごすことが多くなったそうです。
14年後の今から思い返すと、Wさんの住まいづくりは、いまの時代が改めて大切にしようとしている価値観を先取りした、とっても魅力的な住まいづくりでした。
Wさんありがとうございました。